EU

ヨーロッパ諸国の追及権はどうなっているかというと、EU加盟国(2017年現在28か国)においては、すべて追及権制度が存在します。
3.各地域あるいは各国の状況(1)」で、2001年の欧州指令と書きましたが、これはEU(European Union)に加盟している国が皆それに従って法制度を作るという方向性を示したものです。

ここで少しEUの法について説明すると、「EUを設立する基本的な法(基本法規)と設立されたEUがつくる立法(派生法規)の両方[1]」をEU法と呼びます。
基本法規にはRU条約等が組まれ、また、派生法規には、「規則」「指令」等が含まれます。
「指令」はDirectiveを日本語に訳したものですが、「各国の国内法などを通して、その内容が実施される[2]」ことになります。
毎年、様々な指令が出されていますが、追及権をEUの全加盟国に導入しようという意図で作られたEU指令は、2001/84/ECです。
つまり、この指令の内容を踏まえて、加盟各国が自分の国の法制度に取り入れていくので、加盟国の追及権に係る制度はある一定レベルで同じ水準となるようになっています。

この指令には、各国が必ず従わなければならない義務規定部分と、任意で選択できる任意規定部分があります。
次回はもう少し細かく、その規定内容を見ていきましょう。

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[1] 中村民雄「EUとは何かー国家ではない未来の形」信山社2015 p86

[2] 同書 p86-87