視覚美術著作権国際連合(CIAGP)の2018年度国際会議が512日に亘りセネガルのダカールで開催され、JASPARからは代表理事吉澤が参加しました。

討論された多くの議題中、主な案件は下記の通りです。
1) 私的複製、複写権等、Collective Rights (集合的権利) の現状
2) アフリカにおける著作権制度の現状の管理状況の説明
3) 世界各地域に於ける著作権管理の実態
4) EUに於けるオンライン著作権管理団体OLAの報告
5) 追及権の世界的普及活動と各国の現状
6) インターネット画像認識システム(Automatic Image Recognition: AIR)の開発と実践に関する報告

[ 吉澤 コメント]
CIAGP
国際会議に参加するのは今年で3回目になり、各国代表の顔ぶれにも少し慣れてきた。何時も話題になる追及権に関しては、日本政府がWIPOに於いて後ろ向きな姿勢であると、民間団体であるJASPARも毎回非難されているような気分であった。そこで今回、各地域の現状報告の際に、JASPARが追及権の意識向上と実現化に向けていかにここ数年努力してきたか報告した。また日本の著作権保護期間延長がTPP11の枠組みの中で施行され、近いうちに70年になることも発表した。今回の開催がなぜダカールでこの時期であったのかは、会議の翌日がダカール・ビエンナーレ開会式の日だったことで理解できた。セネガルが文化政策に力を注いでいることは耳にしていたが、開会式の中で大統領がスピーチし、全ての建設物費用の1%を芸術作品に充てる法律の実施を約束していた。またこの日はセネガルを代表する彫刻家ウスマン・ソウ美術館のオープン日でもあった。